システムエラーが教えてくれた、新しい生き方

菊地咲|元ソフトウェアエンジニア、現EdTechスタートアップ代表

【システム障害報告】
発生事象:パニック発作によるダウン
発生日時:平日 月曜9:15
発生箇所:某ITベンチャー 会議室3
障害内容:重度の機能不全、強制シャットダウン
原因特定:発達障害(ADHD&ASD)

これは、私のシステムに潜んでいた「バグ」が、ついに表面化した瞬間でした。

プログラマーとして、コードは得意でした。
複雑なシステムの全体設計だって問題ない。
でも、毎日の生活という「シンプルなプログラム」が、どうしても正常に動作しなかった。

メールの返信が異常に遅延する
会議の内容が正しくキャッシュされない
タスクの優先度が適切に処理できない

チームからは「なぜこんな基本的な処理もできないんだ」という警告が。
それでも私は、自分なりのワークアラウンドで凌ごうとしていました。

でも、あの朝のパニック発作で全てのシステムがダウン。
2週間の休職を経て受けた診断が「発達障害」でした。

長年感じていた「バグ」の正体が、ようやく特定された瞬間です。

診断直後、私のブラウザには「TherAction」という検索結果が表示されていました。堂本さんとの面談で、私は自分の「ソースコード」を初めて客観的に見ることができました。

「あなたの特性は、むしろ新しいプロダクトを生み出すチャンスかもしれない」

その言葉で、視点が一気に切り替わりました。

私の特性を「機能仕様」として整理してみると:

強み:
・論理的思考力が高い
・パターン認識が得意
・細部への徹底的なこだわり

課題:
・時間管理が苦手
・コミュニケーションにバグ
・マルチタスクで処理落ち

この「機能仕様」を活かせば、同じように悩む人たちの力になれるのでは?

そうして開発がスタートしたのが、学習支援アプリ「Focus Flow」です。

実装した主な機能:
・音声入力による直感的メモ
・AIによる学習単位の最適分割
・視覚的な時間管理システム
・達成度可視化エンジン

リリース後のメトリクス:
・ダウンロード:67,000件
・継続ユーザー:23,000人
・学習効率向上:平均32%
・導入校:18校

数値以上に嬉しいのは、ユーザーからのフィードバック:
「自分に合った勉強方法が見つかった」
「はじめて集中が続いた」
「もう自分を責めなくていい」

私の「システムエラー」は、新しいソリューションの開発につながりました。

発達障害という「仕様」は、決してバグではありませんでした。
むしろ、特別な機能を持つ「カスタムモジュール」だったのかもしれません。

今、私たちのチームは次のバージョンの開発に向けて、新たな挑戦を続けています。

私からのメッセージ
菊地さんのアプローチには、大きな可能性を感じています。

「発達障害」という言葉に出会った時、多くの人は自分を制限しようとしてしまいます。でも菊地さんは違いました。その特性を「新しい機能」として捉え直し、テクノロジーの力で多くの人を助けるソリューションへと昇華させた。そこには、エンジニアとしての専門性だけでなく、同じ悩みを持つ人々への深い共感が込められています。

私は常々、「過去の痛みは誰かを救う力になる」と伝えてきましたが、菊地さんはそれを最先端の形で実現してくれました。特に印象的なのは、自身の経験を「システム分析」のように客観的に捉え、そこから普遍的な解決策を導き出した着眼点です。

教育の未来は、まさにこうした「一人一人の特性に寄り添うテクノロジー」にかかっているのではないでしょうか。菊地さんの挑戦が、多くの可能性を切り拓いてくれることを、心から期待しています。

無料相談受付中です。
あなたもあなたの中に潜んでいるバグを見つけてそれを武器にしてみませんか?

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