エンジニアの大量離職から、企業文化改革で実現した組織再生

中村隆志(32歳・男性)IT企業社長

「今月も3人退職届…。このままでは会社が崩壊する」

創業4年で従業員50名、年商8億円まで成長したIT企業。だが急成長の裏で、半年間で優秀なエンジニア12名が退職。残ったメンバーの士気も低下し、プロジェクトの遅延や品質低下が多発。売上は前年比30%減、赤字転落寸前でした。

【経営課題の実態】

  • 月間の残業時間が平均80時間超
  • 新規事業の失敗で3億円の赤字
  • 退職者の75%が年収800万円超の上級エンジニア
  • 採用コストが前年比3倍に急増
  • 社員意識調査で「転職を考えている」が65%

元エンジニアの知人から、堂本さんを紹介されました。初回相談で、衝撃の指摘が。

「中村さん、御社の離職率の高さは”高給与”が原因ではありません。優秀な人材ほど、自分の”価値”を実感したいんです」

【Phase 1:組織診断と緊急対策(1-2ヶ月目)】

  • 全社員との1on1面談実施
  • 退職者へのヒアリング分析
  • 給与より「裁量」「成長機会」「価値観の共有」を重視
  • 経営陣とエンジニアの信頼関係欠如が主因
  • 緊急施策:
  • プロジェクトの30%を即時凍結
  • 全社員の残業時間を40時間以内に制限
  • 経営会議の議事録を全社公開

【Phase 2:エンジニア主導の組織改革(3-6ヶ月目)】

  • 技術者評議会の設立
  • エンジニアが技術選定や開発方針の決定権を保持
  • 年間予算の20%を技術投資枠として確保
  • キャリアパスの刷新
  • マネージャー職と専門職の報酬を同等に
  • 社外技術コミュニティ活動を評価項目に
  • 20%ルールの導入
  • 労働時間の20%を自己裁量プロジェクトに充当可
  • 成果は四半期ごとに発表会を開催

【Phase 3:新たな企業文化の確立(7-12ヶ月目)】

  • バリュー(価値基準)を全社員で再定義
  • 「技術を愛する」「失敗から学ぶ」など、7つの軸を策定
  • 評価制度の革新
  • ピアボーナス制度の導入(年間予算1億円)
  • OSSコントリビューションを評価対象に
  • 採用基準の明確化
  • 技術力だけでなく「価値観の共有」を重視
  • 面接にエンジニアが必ず参加

【実現した変化(1年後)】

  • 離職率:年間40%→5%に改善
  • エンジニア採用:競争率が3倍に上昇
  • 残業時間:月平均80時間→30時間に
  • 社員満足度:35%→89%に向上
  • 売上高:前年比40%増
  • 新規事業:エンジニア発案の自社プロダクトが月商3,000万円を達成

何より、社内の雰囲気が一変しました。毎週金曜の技術共有会は任意参加なのに常に満員。エンジニア主導のミートアップには毎回100名以上が参加し、採用候補者の70%がこれをきっかけに応募してきます。

先日、かつての退職者から連絡が。
「また一緒に働けませんか?会社の変化を外から見ていて、戻りたくなりました」

同じように人材流出に悩む経営者へ。
優秀な人材が求めているのは、必ずしも「高給」ではありません。
自分の価値を実感できる「場」なのかもしれません。

人材流出をストップしたい経営者は↓

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