佐藤紫微(36歳・女性)中国系日本人→多文化教育アドバイザー
「ママ、もう中国語話したくない。みんなと同じ日本人になりたい」
10歳の息子の言葉に、私の心は千々に砕けました。
私自身、中国から帰国子女として小学生の時に来日。いじめや差別を経験したからこそ、息子には誇りを持って生きてほしいと願っていました。でも息子は学校でからかわれ、次第に中国語を話すことも、中国の伝統行事に参加することも拒否するように。
夫(日本人)は「日本で生きるなら、日本に合わせるべき」と主張。でも、自分のルーツを否定することが、本当に息子の幸せになるのでしょうか。
堂本さんのブログ『違いは、武器になる』との出会いは、深夜のスマホ検索がきっかけでした。
初回相談で、堂本さんは意外な質問を。
「息子さんの好きなアニメは何ですか?」
「鬼滅の刃です」と答えると、
「実は、日本の漫画やアニメの多くは、中国の『三国志』や『西遊記』の影響を受けているんですよ」
その視点に、目が覚める思いでした。文化は決して切り離せるものではなく、むしろ混ざり合って新しい価値を生むのだと。
TherActionで学んだのは、「違い」を「欠点」ではなく「特別な視点」として捉えること。息子と一緒に、中国と日本の文化の面白い共通点を探し始めました。
すると息子が少しずつ変化を。
「ママ、僕の名前の漢字、中国語と日本語で読み方が違うの面白いね」
半年後、息子は学校で「二つの文化を知っている」ことを誇らしく話せるように。クラスメイトに中国語を教えることも。
今では、外国にルーツを持つ子どもたちの学習支援教室を主宰。去年は市の多文化共生プロジェクトにも参加し、教育委員会で提言も。
先日、息子が宿題で「将来の夢」を書いてきました。
「中国と日本の架け橋になる」
その文字を見たとき、またしても涙があふれました。でも、今度は誇りの涙です。
同じように文化の狭間で悩む方へ。
「違い」は決して欠点ではありません。
むしろ、かけがえのない「gift(贈り物)」なのです。
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