「IT企業のPMから、企業のメンタルヘルスを支える側へ」

数値で語るなら、私の人生は2つに分けられます。

過労うつ発症前:

  • 月間残業時間:150時間超
  • 休日出勤:月平均3回
  • 睡眠時間:平均4時間
  • プロジェクトチーム:20名規模
  • 年収:850万円

そして現在:

  • 企業向けメンタルヘルス研修:月8社
  • 参加者数:年間1000名以上
  • クライアント満足度:94%
  • 1日のヨガ実践:90分
  • 年収:720万円

数字だけ見ると「下がっている」と言えるかもしれません。でも、今の私は間違いなく「生きている」と実感できています。

32歳にして過労うつで倒れるまで、私は「数字」と「スピード」の虜でした。
「施策の導入が遅い」「他社に後れを取る」「チームの生産性が足りない」。
口癖のように言っていた言葉を今でも覚えています。

ある月曜日。いつものように6時に目覚ましをセットしていたはずなのに、気づいたら救急車の中でした。激しい動悸、全身の震え、そして何より「死にたい」という思考が頭から離れない。検査結果は「重度の過労性うつ病」。即日入院となりました。

入院中、主治医から勧められたのがヨガでした。正直に言えば、最初は「こんなスローな動きで何が変わるんだ」と思っていました。でも、技術者として trained されてきた私の目に、ある”異常値”が飛び込んできたのです。

1回目のヨガ実践前後で、心拍変動(HRV)の数値が20%も改善していた。

これは見逃せないデータでした。エンジニア特有の探究心から、医学論文を漁り始めます。
すると、ヨガやマインドフルネスが企業のメンタルヘルス改善に統計的有意な効果をもたらしているというエビデンスが、次々と見つかりました。

「これは、システム開発と同じじゃないか」

問題を特定し、解決策を実装し、効果を測定する。その繰り返しでプロダクトは進化していく。
であれば、企業のメンタルヘルスも同じように、科学的アプローチで改善できるはずです。

その仮説を実証するため、まずは自分をテストケースにしました。

  • ヨガインストラクターの資格取得
  • 瞑想アプリの徹底比較
  • ストレス測定デバイスでの継続的なモニタリング

6ヶ月の実験期間を経て、ようやく「提供できるサービス」の形が見えてきました。

ちょうどその頃、SNSで堂本さんの投稿を見つけました。

「あなたの痛みは、誰かを救う力になる」

エンジニアだった私には、少し抵抗のある言葉でした。でも、個別相談でお会いした堂本さんは、私の「データドリブン」な話にも真摯に耳を傾け、「その視点はビジネスパーソンにより響くかもしれない」と、新たな可能性を示してくださいました。

TherActionでの学びを経て、現在は企業向けに「データ×メンタルヘルス」をテーマにしたプログラムを提供しています。参加者の声を聞くと、特にIT業界の方々から「数値で効果が見えるのが良い」という評価をいただきます。

苦しかった過去は、確かに消せません。でも、それを意味のある「データポイント」として捉え直すことで、新しい価値を生み出せる。今の私はそう確信しています。

堂本晃聖からのメッセージ

野村さんの事例には、とても大きな可能性を感じています。

彼が作り上げた「データ×メンタルヘルス」というアプローチは、ビジネスパーソンの心と体を守る新しい選択肢を提示してくれました。過労うつという危機的な状況を経験しながら、その経験を科学的な視点で分析し、具体的なソリューションへと昇華させた。まさに、「過去の痛みを力に変える」ことの可能性を示してくれています。

特に印象的なのは、自身のリカバリープロセスを「データポイント」として捉え直した着眼点です。辛い経験を個人の物語で終わらせず、多くの人を救うための「有意なサンプル」として活用する。この発想の転換は、今の時代に必要不可欠なアプローチだと感じています。

私自身、大きな病を経験し、そこからの再起を模索してきました。その過程で気づいたのは、「経験を価値に変える」ということの重要性です。野村さんは、その「価値の変換」をより科学的・客観的な形で実現されました。

これからますます、企業におけるメンタルヘルスケアの重要性は高まっていくでしょう。野村さんの取り組みが、多くのビジネスパーソンの「生きる質」を高めていくことを、心から期待しています。

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