不妊治療の果てに、新たな幸せを見つけるまで

村田夫妻(千春34歳・智也36歳)会社員→不妊当事者サポーター

「もう、やめようか? ──7年目の不妊治療の帰り道、夫が優しく言ってくれた言葉に、私たちの人生は動き始めました」

治療費は累計1,000万円超。毎月の注射、ホルモン剤、体外受精。希望と絶望を繰り返す中、周りからは「まだ子どもできないの?」と何気ない言葉が突き刺さる日々。夫婦の関係も、ぎすぎすしていました。

「治療に失敗しない方法」をネット検索していた夜、堂本さんのnote『諦めることは、新しい何かの始まり』という記事に出会いました。

不妊治療に悩むカップルでの初めての相談。堂本さんは、私たちに一つの問いを投げかけました。
「お二人にとって『幸せな家族』とは、どんな形ですか?」

その問いに、夫婦で向き合った夜。初めて、お互いの本音を話せました。子どもを持つことだけが、家族の形ではないのかもしれないと。

Healフェーズで、まず「子どもができない罪悪感」から解放されていきました。そしてDiscoverフェーズで気づいたのです。私たちには「不妊治療の経験者だからこそ、分かること」があると。

SNSで体験談を発信し始めると、想像以上の反響が。同じ境遇のカップルから「初めて、気持ちを分かってもらえた」というメッセージが届きました。

1年後、夫婦で不妊治療カウンセラーの資格を取得。今は週末に不妊治療中のカップルの相談会を開催しています。平日は二人とも会社員のまま。

「子どもを授かる」という夢は叶わなかったけれど、私たちは違う形の「家族」を見つけました。同じ悩みを持つ人々と支え合うコミュニティという、新しい家族の形を。

先日、相談に来たカップルから言われました。
「村田さん夫妻みたいに、前を向いて歩けそうな気がします」

その言葉に、二人で抱き合って泣きました。

同じ治療に悩むカップルへ。
「家族」の形は、一つじゃない。
あなたたちの経験は、必ず誰かの道しるべになれる。

あなたも本当の自分を見つけたくないですか?

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