28歳での介護離職から、新たなキャリアを築くまで

高橋拓也(28歳・男性)元SE→介護テック起業家

「28歳、SE職を退職しました。両親の介護のために」

IT企業で将来を期待された矢先の介護離職。父は脳梗塞の後遺症、母は認知症初期。誰かが仕事を辞めなければならない状況で、一人っ子の僕が選択するしかありませんでした。

友人たちがキャリアを積み上げていく中、介護と求職活動の板挷み。「若すぎる介護者」として、ハローワークでも介護施設でも浮いた存在。このまま取り残されていくのか――。

介護者向けのSNSで愚痴を書いていたとき、堂本さんの記事『失ったものは、新しい何かのタネになる』に出会いました。

初回相談。堂本さんの質問は鋭かった。
「高橋さんのSEとしてのスキル、介護の現場で活かせることってありますか?」

その問いが、凍りついた僕の脳を溶かしました。毎日の介護記録、施設とのコミュニケーション、薬の管理…。全てデジタル化できるはずなのに、アナログな仕組みが多すぎる。

TherActionのDiscoverフェーズで、「SpeakingCaregiver(介護者の声)」というアプリの構想が生まれました。介護に関わる全ての記録と情報共有をデジタル化し、介護者の負担を減らすツール。

プロトタイプを作り、実際に使ってもらうと、介護施設からも反響が。使いやすさを評価され、口コミで広がり始めています。

今では介護テック企業として起業。全国100以上の施設に導入され、様々な助成金も獲得。両親の介護も続けながら、週3日はリモートで開発チームを指揮しています。

先日、父が久しぶりに言葉を発しました。
「拓也に、感謝している」

その言葉を、アプリの音声記録機能で残せたことに、技術の意味を実感しました。

介護離職を経験した方へ。
キャリアの中断は、終わりではありません。
その経験こそが、新しい価値を生み出すチャンスかもしれない。

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