商品棚に並ぶ、無数の顔。
どれもこれも、綺麗に着飾って、こっちを見て微笑んでいる。
まるで美男美女コンテストだ。
だけどさ、顔だけじゃ、心の中までは見えないだろ?
俺の商品だってそうさ。
頑張って開発したんだ。
寝食忘れて、試行錯誤して、悩み抜いて、ようやく生まれた子供みたいなもんなんだ。
そりゃあ、可愛くて仕方ないし、一人でも多くの人に手に取って、愛して欲しいって思うのは当然だろ?
POP?
チラシ?
ああ、作ったさ。
商品の良いところを、これでもかってくらい書き連ねた。
だけど、何かが違う。
俺の魂、伝わってねぇんだよ!
「この商品、こんなに素晴らしい機能が満載なんです!」
って、そりゃあそうさ。
頑張って開発したんだから。
でも、それだけじゃダメなんだ。
お客様は、機能が欲しいんじゃない。
その機能がもたらす、幸せが欲しいんだ。
俺が、どんな想いで、どんな苦労をして、その幸せを詰め込んだのか、それを知りたいんだ。
だから、俺は語りかける。
POPに、チラシに、そして直接お客様に。
「この商品、実は最初は全然ダメダメだったんです。でも、諦めきれなくて、何度も何度も作り直して…」
「夜も眠れない日が続いたけど、完成した時の喜びは、今でも忘れられません」
ちょっと恥ずかしいかもしれない。
カッコ悪いと思われちゃうかもしれない。
でも、それでいいんだ。
俺の魂の叫び、聞いてくれ!
この商品に込められた、熱い想いを感じてくれ!
そうすれば、きっと、お客様の心に響くはずだ。
商品棚に並ぶ、無数の顔の中から、俺の商品を選んでくれるはずだ。
だから、お前も
自分の魂の叫びを解き放て!
商品の裏に隠された、物語を語れ!
それが、お客様の心を掴む、唯一の方法なんだ。
さあ、今すぐペンを取って
お前の熱い想いを書き出してみろ!
語りかけてみろ!
お前は、どんな想いを、どんな言葉で、お客様に伝えたいんだ?