西山誠一郎(55歳・男性)老舗旅館3代目→観光DX推進者
「売上90%減、借入金3億円超、従業員37名の生活がかかっている。130年続いた老舗を、この手で潰すことになるのか」
コロナ直撃で、月間売上2億円が2,000万円まで激減。固定費だけで月4,000万円という旧態依然の経営体制が、首を絞めていました。銀行からは「このままでは追加融資は難しい」と通告され、取引先からは支払い催促の嵐。
TherActionとの出会いは、経営者仲間の紹介でした。事業再生の経験を持つ堂本さんとの初回面談で、衝撃的な指摘を受けます。
「西山さんの旅館は、不況でもお客様が途絶えない料亭や旅館と、何が違うと思いますか?」
その問いから、大規模な構造改革が始まりました。
【Phase 1:固定費の大胆カット(3ヶ月目)】
- 遊休施設を徹底活用
- 離れ5棟をシェアキッチン化(月収80万円)
- 庭園を少人数ウェディング会場に(1件50万円×月2件)
- 仕入れ・人件費の最適化
- 近隣旅館との共同仕入れで30%コスト減
- シフト管理システム導入で人件費25%減
- 年間で固定費45%カットを実現
この改革には従業員から猛反発も。「老舗の品格が廃れる」という声に、夜も眠れない日々が続きました。
堂本さんのアドバイスで、全従業員との1on1ミーティングを実施。「伝統を守りながら、新しい価値を創る」というビジョンを共有し、次のフェーズへ。
【Phase 2:デジタル活用の新規事業(6ヶ月目)】
- バーチャル体験の展開
- 外国人向け「朝のお勤め体験」(1回5000円×月100名)
- 料理長による和食教室ライブ配信(月謝制・会員200名)
- 日本庭園の四季を楽しむサブスク配信(月額1000円×会員500名)
- 従業員の多能工化
- 接客スタッフ全員にオンライン配信技術を習得させる
- 調理師3名をオンライン講師として育成
ここでも課題が。システム投資に2,000万円必要となり、銀行は及び腰。堂本さんの人脈で、観光DXに理解のあるファンドを紹介いただき、資金調達に成功。
【Phase 3:収益構造の多角化(1年目)】
- 伝統工芸作家とのコラボレーション
- オリジナル茶器セット(月20セット×15万円)
- 浴衣デザインコンテスト開催と商品化
- 富裕層向けプライベートツアー
- 1組50万円×月6組の実績
- 成果連動型報酬制度の導入
- オンライン売上の20%を従業員に還元
結果、V字回復を実現:
- 月間売上:2,000万円→3億円(デジタル事業が4割)
- 営業利益率:3%→18%
- 従業員の平均年収:20%アップ
- 借入金:3年で半減
何より、従業員の目の輝きが変わりました。伝統と革新の化学反応が、想像以上の成果を生んでいます。
同じように苦境にある経営者へ。
「守るべきもの」は守りながら、
「変えるべきもの」は大胆に変える。
その決断と実行に、活路があるのかもしれません。
正式依頼する前にまずは…