正直、最初に山本さんとお会いしたとき、私の目の前には「もう終わりだ」と諦めの色が濃く出た表情の男性がいました。
「堂本さん…定年まであと8年。でも会社の様子を見てると、もっと早く辞めざるを得ないかもしれない。家のローンはまだ残ってるし、子どもの教育費も…」
声が震えていました。52歳のその時点で、すでに何人もの同僚が「早期退職」という形で会社を去っていったそうです。
私には、山本さんの言葉の端々に「怒り」が見え隠れしているのが分かりました。会社への怒り、自分への怒り、そして何より「何もできない」という無力感への怒り。
この気持ち、痛いほど分かります。私自身、ビジネスで大成功を収めながら一夜にして全てを失った経験があります。背負っているものが大きければ大きいほど、その重圧は計り知れません。
「山本さん」
私は真っ直ぐに彼の目を見ました。
「今の会社で培った経験は、決して無駄じゃない。むしろ、宝の山なんです。ただ、その宝を活かす”新しい形”を、一緒に見つけていきませんか?」
フェーズ
TherActionでは、最初のHealフェーズで山本さんの怒りや不安に向き合いました。
面白いことに、話を聞いていくと、彼には「若手の頃から温めていたアイデア」がたくさんあったんです。ただ、会社の肩書や立場で、どんどん自分の意見を言えなくなっていった。
その抑圧からの解放が、大きな転換点になりました。
そして、Discoverフェーズ。実は山本さんには「新入社員の育成」に並々ならぬ情熱があったんです。若手の相談に乗るのが好きで、休み時間に人が絶えなかったそう。この「人を育てる喜び」にスポットを当て、副業としてのキャリアコンサルタントの道を探っていきました。
ここからが面白い。Actフェーズでは、オンラインでの発信方法を学び、LinkedIn上で「ミドルマネージャーの転職アドバイス」の記事を投稿。すると、同世代からの反響が予想以上に。「自分と同じ悩みを持つ人が、こんなにいるのか…」と、山本さんの目の色が変わっていきました。
正直、最初は戸惑いもありました。
「こんな年齢から…」という声も。
でも、一つずつ実績を積み重ね、今では複数の企業から研修講師として声がかかるように。
先日、山本さんからメールが届きました。
「堂本さん、今日も若手社員の相談に乗ってきました。週末は研修の打ち合わせ。忙しいけど、こんなに充実した毎日は久しぶりです。何より、妻が”最近イキイキしてる”って(笑)」
人生に「遅すぎる」なんてない。これは決して綺麗事じゃありません。私自身、何度も這い上がってきた経験から断言できます。
むしろ、山本さんのように豊富な経験と深い知見を持つ方だからこそ、できることがある。
その可能性を、一緒に見つけていければと思います。
あなたも、もしかしたら「もう終わりかも」と感じているかもしれない。
でも、その思い込みを手放してみませんか?
TherActionの無料カウンセリングで、あなたの可能性について、じっくり話し合えればと思います。