最近、とある旅番組を観ていたら、 行き先や移動手段だけでなく、 “滞在先のちょっとした工夫”が すごく魅力的に感じられました。
たとえば、宿のチェックイン時に ウェルカムドリンクと一緒に 手書きのメッセージカードを渡したり、 部屋までの案内中に歴史ある廊下の 豆知識を教えてくれたり… 旅行の“目的地”自体は王道でも、 細かい気配りや演出で 「ここに来てよかった!」と 心から思えるんですよね。
実は、こうした “旅のしおり” 的な 視点は、お店づくりにも活かせます。
なぜなら、お客様が お店で過ごす時間は、 ちょっとした「小さな旅」でもあるから。
■ お店を「旅」に見立てると…?
旅では、「最初の一歩から宿を出る瞬間まで」 がひとつの物語です。
実際の店舗で考えると、 お客様が扉を開けてから、 お会計を済ませて帰るまでが この「旅」だと言えます。
・エントランスでの第一印象 → 旅でいう「出発地点」のワクワク感
・メニューやカウンセリング → 旅でいう「行き先やプランの検討時間」
・商品・サービスの提供シーン → 旅でいう「メイン観光スポット」
・帰り際の余韻 → 旅でいう「ホテルをチェックアウトして帰路に着く瞬間」
こうして見直してみると、 それぞれのステップで どんな“体験”を演出するかが 大事だと気づきませんか?
■ “特別感”がつくるファン心理
旅行先の小さな演出が心に残るのは、 “特別感”を感じるからです。
そしてその特別感こそが、 「あのお店、また行きたい!」 というリピートや口コミに つながっていきます。
たとえば、飲食店なら…
・オープンキッチンで調理風景を見せる → 旅先のご当地体験を見学しているような ワクワク感を演出する ・料理の由来やレシピを 少しだけ紹介する → 現地ツアーガイドに教わる豆知識のように、 お客様の「ここでしか味わえない!」 という気持ちを高める
・お会計時に「次回の新メニュー予告」をさりげなく伝える → 次の旅先のプランをチラ見せされるような期待感
では、美容室なら…
・カウンセリングの際、髪質の診断結果を丁寧に伝える → 旅先の旅行プランを細やかに組み立てるときの “オーダーメイド感”を演出
・シャンプー時に、各工程の目的や 使用しているヘアケア剤の特徴を説明する → 観光中に、立ち寄るスポットの豆知識を 随時教えてもらうような楽しさを提供
・仕上がりのスタイリングが終わったら 今後のケア方法や次回来店の目安を具体的に提案 → 旅行後の写真整理やお土産話のように、 “旅を締めくくる”大事な余韻づくり
こうした演出が重なれば重なるほど、 お客様の体験は “特別な旅”として記憶に残ります。
■ お店の「体験設計」を見直すコツ
では実際に、どうやって その“旅のしおり”を作ればよいのでしょうか?
ポイントは「言葉」と「演出」です。
(1) おもてなしの言葉 旅先でガイドが話す解説や おもてなしの言葉は、 “その場をもっと楽しく”する魔法。 お店でも、ただ「いらっしゃいませ」 「ありがとうございました」だけでなく、 「今日のおすすめは○○なんですよ」 「次回は新メニューが登場しますよ」 といった具合に、 “先を楽しみにさせる”言葉選びを心がけましょう。
(2) 五感にアプローチする演出 旅の思い出って、香りや音で ふとよみがえったりしませんか?
お店でも、音楽・香り・照明などの 五感に働きかける要素を工夫するだけで、 「ここは他とちょっと違う」と感じてもらえます。 特に、BGMやテーブルセッティングなどの ディスプレイ演出は、 すぐに取り入れやすいポイントです。
(3) “また行きたい”と思わせる仕掛け 旅行も“またこの街に来たい”と思う瞬間がありますよね。
お店でも、スタンプカードやクーポン以上に、 「このお店に来ると楽しい時間を過ごせる」 「自分の悩みを解決してくれる」 といった“心理的価値”を提供すると、 「次の旅もここにしよう」と思ってもらえます。
■ まずは「POP」と「メニュー」から着手!
大がかりな内装工事や、 スタッフ全員での研修をするのは ハードルが高いかもしれません。 でも、「旅のしおり」のように、 まずは“目に入りやすい” お店のPOPやメニュー表記を見直してみませんか?
・POPに「今日のイチオシ」や 仕入れ先のプチ情報を添えてみる
・メニューの名称を「〇〇定食」から 「ちょっと贅沢な〇〇定食」のように ひと言加えてみる
こうした小さな工夫が、 お客様の“お店という名の旅”を もっと楽しませるきっかけになるはずです。
■ まとめ
旅番組が面白いのは、 行き先はもちろんですが、 案内する人やそこでの体験が 丁寧に設計されているからこそ、 目を離せなくなるのだと思います。
あなたのお店も、 「お客様にとっての旅先」。 チェックイン(入店)からチェックアウト(お会計)まで、 ひとつひとつのステップが 心に残る“特別な旅のしおり”になるよう、 まずはPOPやメニューでの表現を見直してみましょう。
きっと「またここに来たい」と思ってもらえる 素敵な空間へと変わっていくはずです。
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