松尾さん(43歳・女性)
「もう、終わりだ」
夜中の台所で、一人涙を流しながらそう呟いていた日々が、今は遠い記憶のように感じます。
離婚が決まり、借金の取り立ても激しくなる中、私は必死で料理を作っていました。
料理だけが、かろうじて私を正気に保っていてくれた。そんな気がします。
「ごめんね」
眠る子どもの顔を見るたび、その言葉しか出てきませんでした。母子手当と不安定なパート収入。
これからどう生きていけばいいのか、先が見えない。
自己破産。その二文字を口にするまでに、どれだけ悩んだことか。
でも、そんな私の人生を変えたのは、意外にも一枚のインスタ投稿でした。
「今日の夜ごはん」
何気なく投稿した手作り弁当の写真。すると突然、知人から連絡が。
「うちの会社の打ち合わせで、お弁当の注文を頼めないかな?」
その話を持って、TherActionの扉を叩きました。
正直、期待はしていませんでした。どうせ「そんな素人に無理」って言われるんだろうって。
古ぼけた事務所。カウンター越しに、堂本さんは缶コーヒーを差し出してきました。
「へぇ、その弁当、めっちゃ美味しそうやん」
スマホの画面を覗き込む堂本さんの横顔に、思わず笑みがこぼれました。
「俺もな、会社潰して、どん底見てきた身やから。分かるで、その気持ち」
堂本さんは、自分の壮絶な経験を淡々と語ってくれました。
借金取りに追われた日々、真夜中の警察沙汰、何度も死のうと考えた時間…。
「でもな、『好き』を『武器』にできる人は、必ず這い上がれる」
その言葉が、私の心に刺さりました。
「料理、好きなんやろ?なら、それを仕事にしたらええやん。
今はSNSもあるし、最初は小さくても、口コミで広がっていくもんや」
現実的なアドバイスの数々。起業の手続きから、値付けの考え方、SNSの活用法まで。
でも、それ以上に心に残ったのは、堂本さんの「泥臭い」経験談でした。
「人間な、どん底見た後の方が、絶対強なんや。あんたには料理があって、子どもがおる。
それだけで、ようけ武器持ってるやん」
涙が止まりませんでした。
それから3年。
今、私は5人のシングルマザーを雇用する小さなケータリング会社を経営しています。
「私も、松尾さんみたいになりたいです」
新しく加わったスタッフがそう言ってくれた時は、胸が熱くなりました。
月一回の「ママ会」では、みんなで作った料理を囲みながら、愚痴を言い合ったり、子育ての相談をしたり。気がつけば、私たちは料理を通じて、新しい”家族”のような絆を育んでいました。
先日、地域の商工会議所から表彰を受けました。
でも、私にとって一番の誇りは、同じ境遇の仲間たちと、支え合いながら前に進めていることです。
料理は、私の”逃げ場”でした。でも今は、新しい未来を作る”希望”になっています。
堂本さんの言葉を、今度は私が伝えています。
「『好き』は必ず『武器』になる」って。
***
一人で悩んでいませんか?
「もう終わりだ」と思っているあなたへ。
その好きなことは、きっと大きな可能性を秘めています。
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