“死ね” “消えろ” “気持ち悪い”
小林さん(27歳)が、スマートフォンの画面を見せてくれました。
私は一瞬、息を呑みました。そこに映し出された言葉の数々は、かつて児童養護施設で受けた暴力や、裏社会での脅しと、本質的には同じものだったからです。
目に見える傷跡は残らないのに、心を深く抉っていく暴力。
しかも、SNSの場合は「逃げ場」がない。24時間365日、世界中どこからでも攻撃が届く。
スマホを見るたび、心臓が締め付けられる。
小林さんは、そんな地獄のような日々を、たった一人で耐えていました。
「消えたい」と「生きたい」の狭間で
「最初は反論していたんです。でも…それが余計に炎上を招いて…」
彼女の言葉に、私は深くうなずきました。
私自身、裏社会で「強さ」を示そうとして、かえって状況を悪化させた経験があります。時には「引く」ことが、最大の強さになる。その wisdom(知恵)は、命の危険と隣り合わせの日々で学んだものです。
でも、SNSの誹謗中傷には、それが通用しない。
アカウントを消しても、別のアカウントから攻撃が来る。
学校や職場にまで誹謗中傷の内容が広まっていく。
信頼していた友人までもが、加害者に回ることもある。
「もう、死のうと思ったんです」
その言葉に、私は自分の「死の淵」の経験を重ねていました。交通事故で心肺停止を経験した時の、あの暗闇。でも、そこから這い上がれたからこそ、今、小林さんの前に座っているんです。
魂の叫びに、耳を傾ける
TherActionのHealフェーズでは、まず「感情の解放」に焦点を当てました。
EFT(感情解放テクニック)を使いながら、小林さんの心に溜まった怒りや悲しみを、安全な形で表現していく。
興味深いことに、このプロセスで彼女が口にした言葉が印象的でした。
「私、誰かの役に立ちたかっただけなのに…」
実は小林さんは、メイクの動画を投稿することで、同じように悩む人を励ましたいと考えていたそうです。その純粋な想いが、残酷な形で踏みにじられた。
闇の向こうに見えたもの
Discoverフェーズで、私たちは彼女の「本当の想い」を掘り下げていきました。
すると、そこには:
- 自分らしく生きることへの渇望
- 誰かの人生に寄り添いたいという願い
- 「傷ついた経験」を誰かの希望に変えたいという思い
が隠れていたのです。
新たな一歩を踏み出すとき
「じゃあ、今度は”顔”を見せずに発信してみませんか?」
Actフェーズでは、アノニマス(匿名)での活動を提案しました。
- メンタルヘルスに特化したブログの開設
- 誹謗中傷被害者のためのコミュニティ作り
- オンラインでのピアサポート活動
驚くべきことが起きました。
匿名だからこそ、より深い本音が語れる。
傷ついた経験があるからこそ、共感できる言葉がある。
小林さんの新しいブログには、次々と反響が寄せられるようになりました。
「初めて、わかってもらえた気がします」
「私も同じ経験をしていました」
「記事を読んで、生きる勇気が出ました」
傷が、光に変わるとき
先日、小林さんから連絡がありました。
「実は…精神保健福祉士の勉強を始めたんです」
彼女は今、自身の経験を活かして、より専門的な形で人々を支える道を歩み始めています。
誹謗中傷で深く傷ついた経験が、誰かを救う力に変わっていく。
それは、まさに私がTherActionで目指してきたことでもあります。
あなたへのメッセージ
もし今、あなたも見えない暴力に苦しんでいるなら。
画面の向こうからの言葉に、心を切り裂かれているなら。
その痛みを、わかってほしい。
あなたは決して一人じゃない。
その傷が、いつか誰かの希望になる。
私も、小林さんも、その証人です。
まずは無料カウンセリングで、あなたの物語を聞かせてください。
必ず、その先に光は見えるはずですから。