「経営者自身が“自らの立ち位置を一度ゼロにし、組織を“社員の意思”で動かす”実験的プロジェクトを短期的に導入する」——これが、あなたの会社をV字復活させるための最重要かつ唯一無二の“一手”です。
目次
なぜ「経営者の立ち位置を一度ゼロにする」のか?
私から厳しい現実を突きつけられた経営者が真に再起するためには、「自分は正しい」「自分は役員や社員より上だ」という、いわば“思考の常識”を根本から崩す必要があります。
なぜなら、「本当に社会に必要とされているか?」「社員を単なる駒として扱っていないか?」という問いへの答えは、経営者自身ではなく、社員や市場・社会の中にあるからです。
一方で、一時的とはいえ“トップ権限を放棄して組織を動かす”のは、通常の経営手法からは大きく外れています。だからこそ、「巷のコンサルタントではなかなか思い付かないアプローチ」 となり得ます。
しかし、この一時的な“逆転現象”によって得られる洞察や組織変容は、従来の会議・合宿・研修といった手法の何倍もの効果を生む可能性があるのです。
具体的なアクションプロセス
1. 経営者が“経営権を一時サスペンド”する期間を設定する
- 例:30日間(短期間でも良い)。
- その間、経営者は組織統制や最終決定権を原則行使しない。
- 「本当に必要なときのみ」最終的な署名やリスク管理のために最低限の介入だけを許容する。
2. 新たな“経営チーム”を社員から選出し、仮の意思決定機構を構築する
- 部門ごとに代表者を選び、「今、会社が抱える課題」「社員が本当に求めること」を洗い出す。
- 社員からの投票や推薦で選出されたチームが、トップの承認なしで施策を試行・実行できる環境を整える。
3. 経営者は“観察者”として関わり、対話や質問を通じて「真の痛点・価値観」を発掘する
- 経営者はミーティングや現場に参加し、介入は極力せずに対話や質問に徹する。
- 「経営者自身が気付いていない盲点」「社員が感じる“本当の問題”」をあぶり出す。
- 同時に自分のこれまでの言動が、社員にどのような影響を与えてきたかを“生の声”から理解する。
4. 期間終了後、社員主導で創り上げた“新たな方向性”をベースに経営者が再びリーダーシップを発揮する
- 上記期間の成果をもとに、「今後どの方向に進むのか」「何が真に会社を社会にとって必要な存在へと高めるのか」を具体化する。
- 経営理念やビジョン・ミッションを社員とともに再定義し、経営者はそれを“共に実現する”存在として役割を果たす。
- ここで初めて、“社員が幸せになれる仕組み”と“市場・社会との接点”を結び付ける具体策が、社員目線で現実的かつ納得感をもって打ち出せる。
このアプローチが生む劇的効果
- 経営者自身の「当事者意識」と「他者視点」の両立
- 「自分で会社を動かさない」苦しさを味わいながらも、“外から俯瞰する視点”を初めて得る。
- 経営者自身が「自らの思考や人格」を見つめ直し、新たな学びを得る最大の機会となる。
- 社員の真のモチベーションと主体性の引き出し
- 「自分たちが経営を担っている」という当事者意識が高まり、会社に対する本質的なコミットメントが生まれる。
- 権限移譲された社員が創発的にアイデアや改革を実行することで、スピーディな改善や新規事業の芽が出やすくなる。
- 組織内に深い“心理的安全”が形成される
- 経営者が一時的に“上からの力”をふるわないことで、社員同士の“対話の質”が飛躍的に高まる。
- 必要な対立や問題点が隠されず、根本的な課題解決の土壌となる。
- 経営理念・戦略の“真の再定義”が可能になる
- 社員が納得でき、かつ社会的意義を見据えた理念が生まれる。
- 「経営者が一方的に作ったお題目」ではなく、「みんなの声を吸い上げて洗練した方向性」が形成されるため、実行力が高い。
最後に
経営者は、痛みを伴いながらも、自分自身の“常識”をぶち壊すほどの破壊的イノベーションを内側から起こす必要があります。その最も重要な一手こそ、一時的にでも経営権を“社員”に委譲し、経営者は“観察者”に徹することで、社員の本音を可視化し、真の経営理念と組織風土を再構築することです。これにより、経営者自身も生まれ変わり、会社全体がV字復活のみならず、長期的な持続成長と“社会に選ばれる存在”へと進化していくでしょう。
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